Account API によるアカウント設定
Logto Account API とは
Logto Account API は、エンドユーザーが Management API を経由せずに直接 API アクセスできる包括的な API 群です。主な特徴は以下の通りです:
- 直接アクセス:Account API により、エンドユーザーは Management API の中継なしで自身のアカウントプロファイルへ直接アクセス・管理できます。
- ユーザープロファイルとアイデンティティ管理:ユーザーは自身のプロファイルやセキュリティ設定を完全に管理でき、メール・電話・パスワードなどのアイデンティティ情報の更新やソーシャル連携の管理が可能です。多要素認証 (MFA) やシングルサインオン (SSO) のサポートも近日公開予定です。
- グローバルアクセス制御:管理者はアクセス設定をグローバルに完全管理でき、各フィールドごとにカスタマイズ可能です。
- シームレスな認可 (Authorization):認可 (Authorization) がこれまで以上に簡単に!
client.getAccessToken()を使って OP (Logto) 用の不透明トークン (Opaque token) を取得し、AuthorizationヘッダーにBearer <access_token>として付与するだけです。
Logto Account API を使えば、Logto と完全連携したプロフィールページのようなカスタムアカウント管理システムを構築できます。
よくあるユースケースは以下の通りです:
- ユーザープロファイルの取得
- ユーザープロファイルの更新
- ユーザーパスワードの更新
- メール・電話・ソーシャル連携などのユーザーアイデンティティの更新
- MFA 要素(認証要素)の管理
利用可能な API について詳しくは Logto Account API リファレンス および Logto Verification API リファレンス をご覧ください。
SSO アカウントの閲覧やアカウント削除機能は現在 Logto Management API で提供されています。実装の詳細は Management API によるアカウント設定 をご参照ください。
Account API の有効化方法
コンソール > サインイン & アカウント > アカウントセンター
に移動します。
Account API はデフォルトで無効化されており、アクセス制御もロックされています。Account API を有効化 を切り替えてオンにします。
有効化後は、識別子・プロファイルデータ・サードパーティトークンアクセスごとにフィールド単位で権限を設定できます。各フィールドは Off、ReadOnly、Edit をサポートし、デフォルトは Off です。
- セキュリティフィールド:
- 対象フィールド:プライマリメール、プライマリ電話、ソーシャルアイデンティティ、パスワード、MFA。
- エンドユーザーがこれらのフィールドを編集する前に、パスワード・メール・SMS で本人確認を行い、10 分間有効な認証記録 ID を取得する必要があります。詳細は 認証記録 ID の取得 を参照してください。
- MFA 用に WebAuthn パスキーを利用する場合は、フロントエンドアプリのドメインを WebAuthn 関連オリジン に追加し、アカウントセンターとサインイン体験でパスキーを共有できるようにします。詳細は 新しい WebAuthn パスキーの連携 を参照してください。
- プロファイルフィールド:
- シークレットボールト:OIDC や OAuth のソーシャル・エンタープライズコネクター用に、Logto の シークレットボールト が認証後のサードパーティアクセストークン・リフレッシュトークンを安全に保存します。これにより、アプリはユーザーに再度サインインを求めることなく外部 API(例:Google カレンダーイベントの同期など)を呼び出せます。Account API を有効化すると自動的にトークン取得が可能になります。
Account API へのアクセス方法
アクセストークンに適切な権限が付与されていることを確認するため、Logto 設定で対応するスコープを正しく設定してください。
例えば、POST /api/my-account/primary-email API には email スコープ、POST /api/my-account/primary-phone API には phone スコープが必要です。
import { type LogtoConfig, UserScope } from '@logto/js';
const config: LogtoConfig = {
// ...他のオプション
// ユースケースに合った適切なスコープを追加
scopes: [
UserScope.Email, // `{POST,DELETE} /api/my-account/primary-email` 用
UserScope.Phone, // `{POST,DELETE} /api/my-account/primary-phone` 用
UserScope.CustomData, // カスタムデータ管理用
UserScope.Address, // 住所管理用
UserScope.Identities, // アイデンティティ・MFA 関連 API 用
UserScope.Profile, // ユーザープロファイル管理用
],
};
アクセストークンの取得
アプリケーションで SDK をセットアップした後、client.getAccessToken() メソッドでアクセストークンを取得できます。このトークンは Account API へのアクセスに利用できる不透明トークン (Opaque token) です。
公式 SDK を利用しない場合は、アクセストークングラントリクエスト /oidc/token の resource を空に設定してください。
アクセストークンを使った Account API へのアクセス
Account API へリクエストする際は、HTTP ヘッダーの Authorization フィールドに Bearer 形式(Bearer YOUR_TOKEN)でアクセストークンを含めてください。
ユーザーアカウント情報を取得する例:
curl https://[tenant-id].logto.app/api/my-account \
-H 'authorization: Bearer <access_token>'
基本的なアカウント情報の管理
ユーザーアカウント情報の取得
ユーザーデータを取得するには、GET /api/my-account エンドポイントを利用します。
curl https://[tenant-id].logto.app/api/my-account \
-H 'authorization: Bearer <access_token>'
レスポンス例:
{
"id": "...",
"username": "...",
"name": "...",
"avatar": "..."
}
レスポンスフィールドはアカウントセンターの設定によって異なる場合があります。
基本的なアカウント情報の更新
基本的なアカウント情報には、ユーザー名・名前・アバター・カスタムデータ・その他プロファイル情報が含まれます。
ユーザー名・名前・アバター・customData を更新するには、PATCH /api/my-account エンドポイントを利用します。
curl -X PATCH https://[tenant-id].logto.app/api/my-account \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"username":"...","name":"...","avatar":"..."}'
familyName, givenName, middleName, nickname, profile (プロフィールページ URL), website, gender, birthdate, zoneinfo, locale, address など他のプロファイル情報を更新するには、PATCH /api/my-account/profile エンドポイントを利用します。
curl -X PATCH https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/profile \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"familyName":"...","givenName":"..."}'
識別子やその他の機微情報の管理
セキュリティ上の理由から、Account API では識別子やその他の機微情報を扱う操作に追加の認可 (Authorization) 層が必要です。
認証記録 ID の取得
まず、10 分間有効な 認証記録 ID を取得する必要があります。これは機微情報の更新前にユーザーの本人確認を行うために使用します。つまり、ユーザーがパスワード・メール認証コード・SMS 認証コードで本人確認に成功すると、10 分間は識別子・認証情報・ソーシャル連携・MFA など認証関連データを更新できます。
認証記録 ID を取得するには、ユーザーパスワードで認証 または メールや電話に認証コードを送信して認証 を利用します。
ユーザーパスワードで認証
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/verifications/password \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"password":"..."}'
レスポンス例:
{
"verificationRecordId": "...",
"expiresAt": "..."
}
メールや電話に認証コードを送信して認証
メールを例に、新しい認証コードをリクエストし認証記録 ID を取得します:
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/verifications/verification-code \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"identifier":{"type":"email","value":"..."}}'
レスポンス例:
{
"verificationRecordId": "...",
"expiresAt": "..."
}
認証コードを受け取ったら、それを使って認証記録の認証ステータスを更新できます。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/verifications/verification-code/verify \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"identifier":{"type":"email","value":"..."},"verificationId":"...","code":"123456"}'
コード認証後、認証記録 ID を使ってユーザーの識別子を更新できます。
認証について詳しくは Account API によるセキュリティ認証 をご参照ください。
認証記録 ID を付与してリクエスト送信
ユーザー識別子を更新するリクエストを送信する際は、リクエストヘッダーの logto-verification-id フィールドに認証記録 ID を含めてください。
ユーザーパスワードの更新
ユーザーパスワードを更新するには、POST /api/my-account/password エンドポイントを利用します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/password \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"password":"..."}'
サインアップ時と同様、Account API で設定するパスワードも コンソール > セキュリティ > パスワードポリシー で設定した パスワードポリシー に準拠する必要があります。ポリシー違反時は Logto が詳細なバリデーション結果とエラーメッセージを返します。
新しいメールの更新・連携
この方法を利用するには、メールコネクター を設定し、BindNewIdentifier テンプレートが設定されていることを確認してください。
新しいメールを更新・連携するには、まずそのメールの所有権を証明する必要があります。
POST /api/verifications/verification-code エンドポイントで認証コードをリクエストします。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/verifications/verification-code \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"identifier":{"type":"email","value":"..."}}'
レスポンスで verificationId が返され、メールで認証コードを受け取ります。それを使ってメールを認証します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/verifications/verification-code/verify \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"identifier":{"type":"email","value":"..."},"verificationId":"...","code":"..."}'
コード認証後、PATCH /api/my-account/primary-email を呼び出してユーザーのメールを更新し、verificationId をリクエストボディの newIdentifierVerificationRecordId に設定します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/primary-email \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"email":"...","newIdentifierVerificationRecordId":"..."}'
サインアップ時と同様、Account API で連携されるメールも コンソール > セキュリティ > ブロックリスト で設定した ブロックリスト 検証に合格する必要があります。ポリシー違反時は Logto がリクエストを拒否し、詳細なエラーを返します。
ユーザーのメール削除
ユーザーのメールを削除するには、DELETE /api/my-account/primary-email エンドポイントを利用します。
curl -X DELETE https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/primary-email \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>'
電話番号の管理
この方法を利用するには、SMS コネクター を設定し、BindNewIdentifier テンプレートが設定されていることを確認してください。
メール更新と同様に、PATCH /api/my-account/primary-phone エンドポイントで新しい電話番号の更新・連携、DELETE /api/my-account/primary-phone エンドポイントでユーザーの電話番号削除が可能です。
新しいソーシャル連携の追加
新しいソーシャル連携を追加するには、まず POST /api/verifications/social で認可 URL をリクエストします。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/verifications/social \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"connectorId":"...","redirectUri":"...","state":"..."}'
connectorId: ソーシャルコネクター の IDredirectUri: ユーザーがアプリを認可した後のリダイレクト先 URL。この URL でコールバックを受け取る必要があります。state: 認可後に返されるランダムな文字列で、CSRF 攻撃防止用です。
レスポンスで verificationRecordId が返されるので、後で利用できるよう保持します。
ユーザーがアプリを認可すると、redirectUri で state パラメータ付きのコールバックを受け取ります。その後、POST /api/verifications/social/verify エンドポイントでソーシャル連携を認証します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/verifications/social/verify \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"connectorData":"...","verificationRecordId":"..."}'
connectorData は、ユーザーがアプリを認可した後にソーシャルコネクターから返されるデータです。コールバックページで redirectUri のクエリパラメータをパースし、connectorData フィールドの値として JSON でラップしてください。
最後に、POST /api/my-account/identities エンドポイントでソーシャル連携を追加します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/identities \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"newIdentifierVerificationRecordId":"..."}'
ソーシャル連携の削除
ソーシャル連携を削除するには、DELETE /api/my-account/identities エンドポイントを利用します。
curl -X DELETE https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/identities/[connector_target_id] \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>'
新しい WebAuthn パスキーの連携
まず MFA と WebAuthn の有効化 を忘れずに行ってください。
この方法を利用するには、アカウントセンター設定 で mfa フィールドを有効化する必要があります。
ステップ 1: フロントエンドアプリのオリジンを関連オリジンに追加
WebAuthn パスキーは Relying Party ID (RP ID) と呼ばれる特定のホスト名に紐づきます。RP ID のオリジンでホストされているアプリケーションのみが、そのパスキーで登録・認証できます。
フロントエンドアプリが Logto の認証ページとは異なるドメインから Account API を呼び出す場合、クロスオリジンでパスキー操作を許可するため 関連オリジン の設定が必要です。
Logto が RP ID を決定する方法:
- デフォルト設定:Logto のデフォルトドメイン
https://[tenant-id].logto.appのみを利用する場合、RP ID は[tenant-id].logto.app - カスタムドメイン: カスタムドメイン 例:
https://auth.example.comを設定した場合、RP ID はauth.example.com
関連オリジンの設定方法:
PATCH /api/account-center エンドポイントでフロントエンドアプリのオリジンを追加します。例:アカウントセンターが https://account.example.com で動作している場合:
curl -X PATCH https://[tenant-id].logto.app/api/account-center \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"webauthnRelatedOrigins":["https://account.example.com"]}'
WebAuthn では関連オリジンとして最大 5 つのユニークな eTLD+1 ラベルをサポートします。eTLD+1(有効なトップレベルドメイン+1 ラベル)は登録可能なドメイン部分です。例:
https://example.com、https://app.example.com、https://auth.example.comは 1 ラベル(example.com)としてカウントhttps://shopping.com、https://shopping.co.uk、https://shopping.co.jpも 1 ラベル(shopping)としてカウントhttps://example.comとhttps://another.comは 2 ラベル
5 ドメインを超える関連オリジンが必要な場合は、Related Origin Requests ドキュメントを参照してください。
ステップ 2: 新規登録オプションのリクエスト
POST /api/verifications/web-authn/registration エンドポイントで新しいパスキー登録をリクエストします。Logto では 1 アカウントにつき複数のパスキー登録が可能です。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/verifications/web-authn/registration \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json'
レスポンス例:
{
"registrationOptions": "...",
"verificationRecordId": "...",
"expiresAt": "..."
}
ステップ 3: ローカルブラウザでパスキー登録
@simplewebauthn/browser を例に、startRegistration 関数でローカルブラウザにパスキーを登録します。
import { startRegistration } from '@simplewebauthn/browser';
// ...
const response = await startRegistration({
optionsJSON: registrationOptions, // ステップ 1 でサーバーから返されたデータ
});
// レスポンスを後で利用できるよう保存
ステップ 4: パスキー登録の認証
POST /api/verifications/web-authn/registration/verify エンドポイントでパスキー登録を認証します。
このステップでは、認証器が生成した暗号署名を検証し、パスキーが正当に作成され送信中に改ざんされていないことを確認します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/verifications/web-authn/registration/verify \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"payload":"...","verificationRecordId":"..."}'
payload: ステップ 2 のローカルブラウザからのレスポンスverificationRecordId: ステップ 1 でサーバーから返された認証記録 ID
ステップ 5: パスキーの連携
最後に、POST /api/my-account/mfa-verifications エンドポイントでパスキーをユーザーアカウントに連携します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/mfa-verifications \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"type":"WebAuthn","newIdentifierVerificationRecordId":"..."}'
verification_record_id: 既存要素の認証で付与された有効な認証記録 ID。詳細は 認証記録 ID の取得 を参照。type: MFA 要素のタイプ。現在はWebAuthnのみサポート。newIdentifierVerificationRecordId: ステップ 1 でサーバーから返された認証記録 ID
既存 WebAuthn パスキーの管理
既存の WebAuthn パスキー管理には、GET /api/my-account/mfa-verifications エンドポイントで現在のパスキーや他の MFA 認証要素を取得します。
curl https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/mfa-verifications \
-H 'authorization: Bearer <access_token>'
レスポンス例:
[
{
"id": "...",
"type": "WebAuthn",
"name": "...",
"agent": "...",
"createdAt": "...",
"updatedAt": "..."
}
]
id: 認証要素の IDtype: 認証要素のタイプ。WebAuthn パスキーの場合はWebAuthnname: パスキー名(任意)agent: パスキーのユーザーエージェント
パスキー名の更新は PATCH /api/my-account/mfa-verifications/{verificationId}/name エンドポイントで行います:
curl -X PATCH https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/mfa-verifications/{verificationId}/name \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"name":"..."}'
パスキー削除は DELETE /api/my-account/mfa-verifications/{verificationId} エンドポイントで行います:
curl -X DELETE https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/mfa-verifications/{verificationId} \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>'
新しい TOTP の連携
まず MFA と TOTP の有効化 を忘れずに行ってください。
この方法を利用するには、アカウントセンター設定 で mfa フィールドを有効化する必要があります。
ステップ 1: TOTP シークレットの生成
POST /api/my-account/mfa-verifications/totp-secret/generate エンドポイントで TOTP シークレットを生成します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/mfa-verifications/totp-secret/generate \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json'
レスポンス例:
{
"secret": "..."
}
ステップ 2: ユーザーに TOTP シークレットを表示
シークレットを使って QR コードを生成するか、直接ユーザーに表示します。ユーザーはこれを Google Authenticator、Microsoft Authenticator、Authy などの認証アプリに追加します。
QR コードの URI 形式は:
otpauth://totp/[Issuer]:[Account]?secret=[Secret]&issuer=[Issuer]
例:
otpauth://totp/YourApp:user@example.com?secret=JBSWY3DPEHPK3PXP&issuer=YourApp
ステップ 3: TOTP 要素の連携
ユーザーが認証アプリにシークレットを追加した後、それを認証してアカウントに連携します。POST /api/my-account/mfa-verifications エンドポイントを利用します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/mfa-verifications \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"type":"Totp","secret":"..."}'
verification_record_id: 既存要素の認証で付与された有効な認証記録 ID。詳細は 認証記録 ID の取得 を参照。type:Totpを指定secret: ステップ 1 で生成した TOTP シークレット
ユーザーは TOTP 要素を 1 つだけ持つことができます。すでに TOTP 要素がある場合、追加しようとすると 422 エラーになります。
バックアップコードの管理
まず MFA とバックアップコードの有効化 を忘れずに行ってください。
この方法を利用するには、アカウントセンター設定 で mfa フィールドを有効化する必要があります。
ステップ 1: 新しいバックアップコードの生成
POST /api/my-account/mfa-verifications/backup-codes/generate エンドポイントで新しい 10 個のバックアップコードを生成します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/mfa-verifications/backup-codes/generate \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'content-type: application/json'
レスポンス例:
{
"codes": ["...", "...", "..."]
}
ステップ 2: バックアップコードをユーザーに表示
バックアップコードをユーザーアカウントに連携する前に、必ずユーザーに表示し、以下を案内してください:
- すぐにダウンロードまたは書き留めること
- 安全な場所に保管すること
- 各コードは 1 回しか使えないこと
- これらのコードは主要な MFA 手段を失った場合の最後の手段であること
コピーしやすい形式で表示し、ダウンロード(テキストファイルや PDF など)も検討してください。
ステップ 3: バックアップコードの連携
POST /api/my-account/mfa-verifications エンドポイントでバックアップコードをユーザーアカウントに連携します。
curl -X POST https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/mfa-verifications \
-H 'authorization: Bearer <access_token>' \
-H 'logto-verification-id: <verification_record_id>' \
-H 'content-type: application/json' \
--data-raw '{"type":"BackupCode","codes":["...","...","..."]}'
verification_record_id: 既存要素の認証で付与された有効な認証記録 ID。詳細は 認証記録 ID の取得 を参照。type:BackupCodeを指定codes: 前ステップで生成したバックアップコード配列
- ユーザーは 1 セットのバックアップコードしか持てません。すべてのコードを使い切った場合は新たに生成・連携が必要です。
- バックアップコードだけを MFA 要素とすることはできません。必ず他の MFA 要素(WebAuthn や TOTP など)が有効である必要があります。
- 各バックアップコードは 1 回のみ利用可能です。
既存バックアップコードの確認
既存のバックアップコードと使用状況を確認するには、GET /api/my-account/mfa-verifications/backup-codes エンドポイントを利用します:
curl https://[tenant-id].logto.app/api/my-account/mfa-verifications/backup-codes \
-H 'authorization: Bearer <access_token>'
レスポンス例:
{
"codes": [
{
"code": "...",
"usedAt": null
},
{
"code": "...",
"usedAt": "2024-01-15T10:30:00.000Z"
}
]
}
code: バックアップコードusedAt: コードが使用された日時。未使用の場合はnull